「お食い初め」とは、赤ちゃんの生後100日ごろにその成長を祝う儀式です。
一生食べ物に困ることがないように思いを込めて行うのです。
それでは、お食い初めの意味や由来、準備するものなどを見ていきましょう。
お食い初めの由来とは?
お食い初めを行う意味は、「一生食べ物に困りませんように」「健康で丈夫に育ちますように」との願いを込めてお祝いします。
また、お食い初めという名前がついていますが、実際には赤ちゃんに食べさせるのではなくて、食べる真似をさせる儀式となります。
お食い初めの由来は、平安時代にさかのぼると言われています。
その頃は、生後100日祝いではなく、生後50日頃に重湯の中にお餅を入れ、そのお餅を赤ちゃんの口に少し含ませる儀式があったそうです。
それを「五十日(いのか)の祝い」と呼び、50日目に食べるお餅を五十日餅(いのかもち)と呼んでいました。
その後、五十日の祝いが「百日」になり、鎌倉時代にはお餅が魚に変わり「真魚始め」と呼ばれるようになったそうです。
色々な呼び名があり、室町時代には100日祝いの「お食い初め」と呼ばれ始めました。
お食い初めの料理とやり方
まず、お食い初めで用意するものを説明していきます。
・お食い初めの料理
お食い初めの献立は、鯛、赤飯、お吸い物、煮物、香の物の5品を用意します。
これには赤ちゃんが生きていくうえで必要な食材として、穀物、海のもの、山のもの、飲み物、塩を与えるという意味が込められています。
では、それぞれ見ていきましょう。
*鯛
鯛は赤い色がめでたいとして、お祝いごとでは欠かせない魚です。
福をもたらす七福神の恵比寿様が釣っている魚もこの鯛で、日本では古くからお祝いの席で食べられています。
*赤飯
赤飯には邪気を祓ったり、魔除けの意味が込められています。
*お吸い物
お吸い物には、「吸う」ちからが強くなるようにという意味が込められています。
*煮物
煮物には、紅白の色のため、にんじんと大根、「亀の甲羅」の形の六角形に切ったかぼちゃやしいたけ、その他に旬の食材なども利用します。
*香の物
季節の野菜を漬けた香の物や酢の物など。
*歯固めの石
歯固めの石は、赤ちゃんに丈夫な歯が生えることを願うためのものです。
福石は、お宮参りの際に神社でもらうのが一番よいですが、近所の河原などにあるものでもかまいません。
・お食い初め用の食器
お食い初めでは、正式には漆器の祝い膳を使用します。
箸は、柳の白木で両端が細くなっている祝い箸を、お椀は鶴、松などの模様が描かれているものがよいでしょう。
お膳は紋付で、男の子なら全部が朱塗りの膳、女の子なら外側が黒塗りで内側が朱塗りの漆器を使用します。
このお膳は母方の実家から贈られることが一般的で、家紋は婚家(嫁ぎ先)のものをいれることが多いようです。
しかし、昔ながらの正式な漆器やお膳を使うことは少なくなってきています。
赤ちゃんのベビー食器や一般の食器で代用する場合も多いです。
では次に、お食い初めのやり方を説明していきます。
お食い初めの儀式では、赤ちゃんに料理を食べさせる順番があります。
ただし、実際には赤ちゃんはまだ食べられないので、口元に近づけて食べさせる真似をしてあげます。
赤ちゃんに食べさせる真似をする役は「養い親」が行います。
「養い親」は、長寿にあやかるという意味から身内で最年長の人が行うことになっていますが、最近では祖父母に頼むことが多いようです。
男の子なら男性が、女の子なら女性が「養い親」となり、自分の膝の上に赤ちゃんを乗せて食べさせる真似をします。
➀ごはん→②お吸い物→③ごはん→④お魚→⑤ごはん→⑥お吸い物
➀~⑥の食べさせる真似を3回繰り返します。
その後は、「歯固めの石」を使って、赤ちゃんに丈夫な歯が生えることを願うための「歯固めの儀式」を行います。
「歯固めの石」にお箸を軽く、ちょんちょんとあててから、「石のように丈夫な歯が生えますように」という願いを込めて、そのお箸を赤ちゃんの歯ぐきに優しく、ちょんちょんとあててあげましょう。
これでお食い初めの儀式は終わりです。
さいごに
一般的なお祝いのやり方をまとめてきましたが、
しきたりや料理に肩肘張らずにお祝いするのもいいと思います。
家族みんなで赤ちゃんを囲んで、
ワイワイ楽しくお食い初めのお祝いをしてあげてくださいね!